クラッチフルード交換
所要時間:うまくいけば20分ぐらい。STDでは12,000km毎交換を推奨してますが、フルードの銘柄にも左右されます。中には5,000kmで交換というのも。
使用工具類
- 5mmヘキサ (スクリーン取り外しに使用)
- モンキーレンチでもなんでも (スクリーン取り外しに使用)
- 10mmメガネレンチ (12角でオフセットがあるとイイ)
- +ドライバー(大)
- 耐油ホース or 逆流防止弁付きホース (逆流防止弁付きだと激楽)
必要なフルードの量
250ml もあれば多少エア混入して余分に入れ替え作業をしてもかなりなおつりが来ると思います。エア混入なしですんなり行けば 100ml で事足りるような・・・(完全目見当)。
フルード系を全部交換する場合、マージンも考えて1Lは用意してます。・・・ほんとはもっと少なくて済むようなんですが、なにかしろ毎回やらかしちゃってるので・・・('A`)
格闘手順
(1) スクリーンを外す
まずはセンタースタンドを立てて、クラッチリザーバータンクが平行になるように、ハンドルをめいっぱい右側に切ります。
でもこのままだと、スクリーンが邪魔で作業が出来ませんので、スクリーンは取り外しちゃいましょう。
(2) ブリードバルブに耐油ホースを接続・・・など
クラッチブリードバルブのキャップを取り外して、ブリードバルブ開閉の為の10mmメガネレンチや耐油ホースをセットうpします。
まずは、メガネレンチをはめておいて(バルブを緩めますので柄をめいっぱい手前側に)、そのあとにバルブ先端にホースを接続。
・・・まぁ、順番なんてどうでもいいですけどねw
ちなみにメガネレンチについてですが、カウルが邪魔してブリードバルブを回す可動範囲がかなり制限されます。
そうなると通常のスパナや、6角のメガネレンチだと角度が細かすぎて回せない可能性が出てきますので、ラチェット機構付きでない12角のメガネレンチを激しく推奨。
あと、メガネだと手放してもホースとかに引っかかってそのままの姿勢でいてくれるから楽ってのもあります。
そしてホースの末端をキャッチタンクへ・・・500ccペットボトルで十分おつりがきます。
画像では普通の耐油ホースではなく、APワンマンブリーダーホース(逆流防止弁付きホース)を使ってます。この防止弁付きホースを使う場合は方向をお間違えないよう。
(3) リザーバータンクのカバーを外す
フルードは塗膜面など浸食するのでこぼしてもつかないようにしておきます。
そして+ドライバーでビスを取り、ダイヤフラム等を取ると麦茶(場合によってはしょう油)とご対面。
(4) リザーバータンク内清掃
(5) の方法でリザーバータンク内のフルードを抜くか、注射器を使って抜くか、なにか(ウエスやらロールでもティッシュでもなんでも)に吸わせて・・・。
とにかく方法はなんであれ、一旦リザーバータンク内を空にします。
ここでレバーを操作すると確実にエアを噛むので触らぬように・・・。
そして、沈殿物があった場合はウエスやら綿棒やら爪楊枝やらで除去します(上の画像左のなんか黒いのが沈殿物です)。
また、リザーバータンクの確認用窓の内部プレートに沈殿物が付着していて、交換しても窓から見るとフルードの色が汚れてるように見える場合もあります(多分相当交換を怠ったときかと・・・)。
そんなときは、市販の歯間ブラシを使って窓の内部も磨くべし。歯間ブラシのブラシ部分は針金で出来てるので適当に折り曲げてごしごしと。
磨き終わったら新しいフルードで洗い流して、ウエスやらで拭き取ってまた空にしておきます。
んで、全部綺麗になったら新しいフルードでリザーバータンクを満タンにおきます。
(5) フルード入れ替え作業
さぁ、握力を鍛えるお時間がやって参りました。それでは張り切っていきましょ~。基本は普通のホースを使う方法で。
【通常耐油ホース使用】
- 圧力を感じるまでクラッチレバーを数回握る。
- レバーを握ったままブリードバルブを1/4回転ぐらい緩める。
(フルードが抜けてきて、レバーの反力が無くなりへなへなに) - レバーを握ったままブリードバルブを締める。
- レバーを離す。
- リザーバータンク内のフルードが半分ぐらいまで減ってきたら新しいフルードを補充する。
(半分というとまだ行けるだろ?という状態ですがマージンは多めのほうが吉です・・・エア抜き作業の面倒くささを考えると・・・ね('A`)) - 1.に戻る。
【逆流防止弁付きホース使用】
・上記の 2~4 の行程をすっとばして、とにかく握りまくる。
ただし、ブリーダーホースによっては圧のかけ方(レバーの握り方)にクセがあるかも。今回使ったAPワンマン~は、ゆっくり握っていかないとフルードが抜けてきませんでした。・・・あと、何らかの対策をしないと接続部分からフルードが漏れる(;´Д⊂)
リザーバータンクにフルードを補充するときは、静かにそそいでやらないと気泡が入っちゃいますので慎重に。
・・・とは言っても、これがなかなかそうはいかず(;´Д`)。フルード缶が満タンに近い状態ではタンクとかが邪魔して結局高い位置から注ぐハメになったり。・・・そうなった場合は気泡が消えてくるまで暫く放置プレイを敢行。
んで、作業を繰り返しているうちにだんだんと出てくるフルードの色が変わってきます。
出てくるのが新しいフルードの色になったら入れ替え完了です。
・・・が、出てくるフルードが新しくなっても細かい気泡が出てきてる場合があります。
これがエア混入状態でフルードラインの大敵です。
この場合はこの細かい気泡が完全に出てこなくなるまで根気よく入れ替え作業をやり続けてください。
エア混入の要因としては主に、レバーを握ってフルードを排出してから、ブリードバルブを締めずにレバーを離してしまってブリードバルブ側からエアを吸った場合と、リザーバータンク内のフルードが足りなくなってリザーバーの方からエアを吸っちゃった場合の2つです。
ヲレがよくやっちゃうのはリザーバータンク側なんですよねぇ・・・だから安全マージンはとっておけとあれほどorz ちなみにこのエア混入の画像はフロントブレーキフルード交換時の物ですが内容的には一緒です。・・・クラッチの時はエアを噛まずに完遂しましたけどブレーキでやっちゃった・・・。
気泡もなにも混在せずに新しいフルードだけとなったらみっしょんこんぷりーと。ブリードバルブをガッツリ締めて、ホース等を外してキャップをつけてます。
(6) リザーバータンク、スクリーンを元通りに
あとはリザーバータンクを新しいフルードで満たして、ダイアフラム→プラスチックのプレートの順にフタ(?)をしていき、最後にカバープレートをはめてビスを締めると。
ダイアフラムをはめるときにフルードがあふれる場合もありますので、周りのウエスが緩んでたら締め直してからはめて下さい。
んで、外したスクリーンを元通りにしてしゅーりょーーーー。
後処理
(5)の最後のほうにもちろっとふれましたが、必ずエア混入有無の確認を。レバーを握ってみてふにゃふにゃっぽかったらエアを噛んでしまってる可能性が大です。ホースやリザーバータンクから細かい気泡が完全に出てこなくなるまで(5)の行程を繰り返して下さい(エア抜き作業)。
気泡が残ってるとフルードの温度が低いときはいいかもしれませんが、温度が上昇するにつれて気泡が膨張して油圧が伝わらなくなり、最悪レバーを握ってもクラッチが切れてない状態に陥ります。
あと、フルードがどこかについてたら、台所用洗剤とかなんでもいいので洗い流してください。そのまま洗車に突入してもいいかもしれないですw